出発前夜は友人宅に泊まり、軽く飲んで早めの就寝。翌9月13日、友人宅を出発し、トラムに乗りシティ（メルボルンの中心部のことをシティと呼んでいた）のバイク屋へ向かう。

「バイクの準備は出来てるぜ。あとは支払いのみだ」と店員さん。クレジットカードで支払おうと思っていたのだが、デポジット分だけは現金じゃないとダメだという。しょうがないので、バイク屋の近くのATMで引き出そうとしたのだが、引き出せる1日の上限があって、現金を用意できず出発は明日に延期することに……なんとも不吉な船出である。

【1日目】9月14日 メルボルン〜ポート・キャンベル

翌日、無事デポジット分の現金を手に入れ、ついに出発の時を迎える。ただ、バイクの運転は実に半年ぶり。日本と同じ左車線だけど、まずは運転に慣れたほうがいいだろうと思い、1日目の目的地はメルボルンから約200kmの距離にあるアポロベイ辺りに設定した。アポロベイは世界一美しいと言われる海岸道路「グレートオーシャンロード」の入口の町トーキーから少し進んだところの海沿いにある。ルートはフリーウェイM1を使って、ジーロング、トーキーを通りアポロベイへと向かう。

なんとなく南西方向へ向かえばいいのかなぁと適当に走り出したのが失敗で、フリーウェイM1にたどり着くまでに1時間くらいシティから出られずに困ってしまった。中心部のまわりにある有料道路が厄介で、これを避けようとすると行きたい方向にいけなくなるという。ちょっと昔過ぎて詳細は覚えていないけど、脱出するのに苦労した記憶は残っている。なんとかシティを抜け出してジーロングに着いた頃には雲行きが怪しくなってきた。さらに南へ進みトーキーに着いた頃にはポツポツと雨が降り出した。

トーキーを通り過ぎてしばらく走ると、バイクがニュートラルに入りにくくなる。さらに、左ウインカーの接触不良。まだ初日なんですけど！

アポロベイに到着するが宿が見つからず、もう少し進んでみることにした。これが完全に判断ミスで、地獄のはじまり。グレート・オトウェイ国立公園を通過している最中に雨が本降りになり、強烈な風も吹き出した。ここから先の記憶がほぼツライしかなくてポート・キャンベルで宿が見つかって、温かい空気に包まれたときには泣きそうになった。ポート・キャンベルの手前に有名な観光地の「12人の使徒（Twelve apostles）」があるのにそれすら素通りするというね。。。それどころじゃなかったから。凍え死ぬかと思ったよ。

初日からつらすぎて「よし、明日メルボルンに戻ろう！」と暖炉の前で固く誓ったのだった。

本日のまとめ

走行距離
283km

費用
レンタル料1635AUD、ガゾリン6AUD、ユースホステル12AUD=1653AUD（132,240円）
※当時のレートで計算（1AUD=80円）

【2日目】9月15日 ポート・キャンベル〜マウント・ガンビア

もう帰ってやる！と昨日は思っていたけど、朝目覚めると案外元気で先に進むことにした笑。
しかし朝からあいにくの雨模様。昨日ほどではないけど強風に見舞われながらも300km弱進み、南オーストラリア州のマウント・ガンビア（Mount Gambier）までたどり着いた。初日がきつすぎて2日目の記憶があやふや。

本日のまとめ

走行距離
278km

費用
ガソリン10AUD、MOTEL35AUD、昼食5AUD、夕食10AUD=60AUD（4,800円）
※当時のレートで計算（1AUD=80円）

【3日目】9月16日 マウント・ガンビア〜アデレード

The Big Lobster @ Kingston SE / a.meins

3日目にしてやっと晴れた！そしてビクトリア州を抜けると寒さも和らいできた。すでにビクトリア州と南オーストラリア州の南部の風景は見慣れてきて、真新しい場所がなくなってしまったが、アデレードの手前にあるキングストンSEという町には巨大なロブスターが待ち構えている。そうか、ロブスターが有名なのかと思ったくらいで写真を一枚とっただけで通り過ぎました。基本的に毎日の走行ノルマがあるからそんなに止まってもいられないのが現状だ。1日目、2日目とすでにノルマを達成できていない。

続いてクーロン国立公園の中を通り北上。途中で制限速度がなくなる道路があって、みんなガンガン飛ばしていくから、つられてスピードだしたらメチャクチャ疲れた。250ccのバイクで長時間スピード出すのはほんとに心も体も疲れる。制限速度がなくても100km以上出すのは止めたほうがいい。

アデレードまでの風景は、徐々に都会に近づいているというよりか山道が終わったらいつの間にか町中を走っている感じだった。

初日と同じ轍を踏まないように、宿は事前に調べておいたバックパッカーへスムーズに到着できた。

本日のまとめ

走行距離
452km

費用
昼食5AUD、夕食10AUD、ユース10AUD、ガソリン8AUD=33AUD（2,640円）
※当時のレートで計算（1AUD=80円）

【4日目】9月17日 アデレード〜ポート・オーガスタ

メルボルンに続き、アデレードの町も抜け出せなくて脱出するのに1時間を要した。都会はどうしても迷ってしまう。バイクだと地図を見ながら走るってことができないからでしょう。結局アデレードを抜け出したのはお昼を過ぎてからだった。その後は順調に北上し、ポート・オーガスタまで来た。明日からは砂漠地帯に突入する。

今日のまとめ

走行距離
311km

費用
朝食5AUD、昼食5AUD、ガソリン10AUD、夕食5AUD、モーテル20AUD=45AUD（3,600円）
※当時のレートで計算（1AUD=80円）

【5日目】9月18日 ポート・オーガスタ〜クーバー・ピディ

ポート・オーガストより北に行くと風景が一変する。高い木々は見えなくなり、地平線を一望できるようになる。気温が上がるとともにハエが増えてきた。立ち止まるとどこからともなく現れ顔の周りを飛び回る。

ポート・オーガスタからクーバー・ピディの間は300kmくらいガソリンスタンドがない区間がある。250ccで旅行する人は途中で必ずガソリンが空になるから予備タンクは必須。あと、移し替えるポンプも必要です。わたくし、ポンプを買い忘れて、そのへんに落ちていたペットボトルを使って移し替えるというかなり手間のかかることになりました。。その日は風も強くうまく移し替えられないし、、、

今日は目的地クーバー・ピディまで予定通りに到着できた。クーバー・ピディは世界最大のオパールの産地。そこら中に採掘するための穴が開いてます。

ホテルも採掘した洞窟を利用したものが多くある。その中で一番安かったバックパッカーに宿泊。夕食は「Tom and Mary’s Greek Taverna」で頂いた（と思う）。ここで食べたカルボナーラがかなりうまくて印象的だった。この旅行の中で、唯一明確に覚えている食事がここだけだから間違いないと思う。ただ、今検索してみたら「閉業」って書いてある。。。悲しい。。。

今日のまとめ

走行距離
540km

費用
昼食5AUD、ガソリン20AUD、夜食20AUD、バックパッカー15AUD=60AUD（4,800円）
※当時のレートで計算（1AUD=80円）

【6日目】9月19日 クーバー・ピディ〜エルデュンダ

outback road train / www.wbayer.com – www.facebook.com/wbayercom

オーストラリアを縦断するスチュワート・ハイウェイには「ロード・トレイン」と呼ばれる貨物を何台も連結させたトラックが走っている。ロード・トレインに遭遇してしまうと追い越すのも一苦労で、直線で見通しが良くなるまで待たないといけない。後ろに着いたままでもいいのだが、かなり遅いので我慢できずに結局追い越すことになる。バイクだから車線の右側に寄れば前方を確認するのは簡単だったが、4、5台連結しているトラックを追い抜くのに20秒くらいはかかるわけで、最初は冷や汗ものです。

何度もやり過ごしていると不思議と慣れてくるもので、今度は追い越すのが楽しくなってくる。フルスロットルで追い越す瞬間の爽快感は格別でアドレナリンが出まくり。いま思い返すと恐ろしいが、この辺りはずっと直線で風景が一切変わらないから変化を求めてたのでしょう。事故らなくてよかった。。。

風景に変化はないが、ひとつだけ変わるものがある。それは「ニオイ」だ。遠くで微かに感じていた臭いの元に近づいていること気がつく。徐々に鼻につく臭いが強烈になってくると道路に横たわっているカンガルーの亡骸が見えてくる。カンガルーやワラビーは夜行性で道路の上にいたり、横切ったりするときに引かれてしまう。もし引いてしまった場合は、2次災害を避けるためにも道路脇へ移動させてください。

カンガルーと衝突すると普通の車でもそこそこダメージがあるのにバイクでぶつかったらどうなることやら。なので基本、暗くなったら運転しませんでした。車もバイクも夜間の走行は止めたほうがいい。日中も飛び出してくることはあるけど、目視できるから100%ではないけど衝突を避けることができる。夜は無理。

この日は順調にスチュワート・ハイウェイとラセター・ハイウェイの分岐点にあるエルデュンダ（Erldunda）まで来た。ここから西に進むとエアーズロックだ。今日はここを宿泊地とする。

今日のまとめ

走行距離
489km

費用
朝食4AUD、昼食7AUD、夜食14AUD、モーテル40AUD、ガソリン15AUD=80AUD（6,400円）
※当時のレートで計算（1AUD=80円）

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